日本政策金融公庫(国民生活事業)には「経営者保証免除特例制度」があります。
これは「経営者保証に関するガイドライン」に対応する制度の1つで、会社が融資を受ける際に経営者の個人保証を外すことができる仕組みです。
経営者保証は、これまで中小企業の融資では一般的なものでした。
ですが、事業承継や経営者の再チャレンジを妨げるといった問題も指摘されていたため、
経営者保証に依存しない融資を広げていく流れが強まっています。
そして、今回の制度改正により、
経営者保証を免除する場合の上乗せ利率が不要となりました。
今回は「経営者保証免除特例制度が上乗せ利率不要に|「会社の財務」の重要性」というお話です。

※「視界良好」な財務がより重要に。
以前は「保証を外すと金利が上がる」仕組みだった
経営者保証免除特例制度は以前からありましたが、当初は保証を外す代わりに金利が上乗せされる仕組みでした。
例えば、
- 最大で+0.3%
- 担保の提供がある場合は+0.2%
- 創業関連の場合は+0.1%
といったように、保証を外す場合には一定の上乗せ利率が設定されていました。
つまり以前は、「保証を外すことはできるが、その分コストがかかる」というもの。
そのため、保証を付けたまま融資を受けるという方も、
少なからずいらっしゃったのではと。
制度改正で要件を満たせば上乗せ利率が不要に
今回、制度が改正され、
要件を満たすことができれば、金利の上乗せがなくなりました。
これは「経営者保証に関するガイドライン」の考え方に沿って、経営者保証に依存しない融資を広げていくという流れによるものでしょう。
経営者保証には、
- 経営者個人のリスクが大きくなる
- 事業承継の障害になる
といった課題があります。
そのため政策としても、会社の信用力に基づく融資を広げていこうとしています。
経営者にとっては、保証を外しても金利が上がらない可能性があるという点で、
大きなメリットといえます。
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保証が外れる会社は「財務が整っている会社」
ただし、誰でも保証が外せるわけではありません。
制度の要件を見ると、
- 会社と社長のおカネが混ざっていない
- 減価償却前経常利益が2期連続赤字でない、または債務超過ではない
といった点が確認されます。
つまり金融機関は、「社長の保証がなくても、この会社は返済できるか」という視点で会社を見ています。
これまでは、会社の信用に加えて、
社長個人の保証が融資の大きな支えになっていました。
ですが、保証を外すということは、
会社単体の信用力で融資を判断するということになります。
そのため金融機関は、次のような点をより重視します。
・利益を安定して出せているか
・債務超過ではないか
・借入を返済できるキャッシュフローがあるか
・会社と経営者のおカネが明確に分かれているか
こうした内容は、急に整えられるものではありません。
日々の経営や、毎年の決算書の積み重ねによって段々とつくられていくものです。
融資というと「借りるか借りないか」に目が向きがちですが、「どのような条件で借りられるか」というところも重要なポイント。
・保証が必要なのか
・保証を外せるのか
・金利はどうなるのか
こうした条件は、会社の財務状態によって大きく変わります。
言い換えると、保証を外せる会社は、
「日頃から財務が整っている会社」です。
資金繰りに困ってから決算書を整えることはできません。
だからこそ、日頃から
・利益を出す経営
・会社と個人のおカネを分ける
・健全な財務体質をつくる
といったことを意識しておくことが、将来の融資条件を大きく左右することになります。
※過去の記事:決算書の見方を変えてみる|税務だけで終わらせないために
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昨日は、朝にブログを更新。
その後は、1件の打ち合わせ。
午後は、データチェックとnoteの執筆を。
