中小企業にとって、融資は重要な資金調達手段です。
その融資を受けるためには、金融機関との取引が必須です。
この金融機関との取引をするうえで、「どのくらいの数の銀行と取引をすればいいのか?」という質問を受けることがあります。
1つの目安として会社の規模で判断するという方法があります。
今回は「金融機関との取引は複数行取引が基本」というお話です。
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会社規模で見た金融機関との付き合い方
最初に会社規模で見た銀行との付き合い方についてお話をします。
金融機関と言っても、都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合、日本政策金融公庫など様々です。
様々あるからこそ、選択をするのが難しいと感じてしまうでしょう。
この金融機関の選択は、非常に重要です。
「何となく」で決めてしまうと、後々の会社の資金繰りに悪い影響をもたらす可能性も出てきます。
まずは、会社の住所に周りにどういった金融機関があるかを確認してみることをおススメします。
ネット検索をすれば、すぐに確認ができるでしょう。
次に、金融機関の財務状況を確認することも忘れてはいけないポイントです。
金融庁の都道府県別の中小・地域金融機関一覧表が参考になります。
- 預貸率:預金に対する貸出の割合→預貸率が著しく低ければ、融資に対して消極的な金融機関である可能性があります。
- 自己資本比率:総資本(負債と純資産の合計)に対する純資産の割合→自己資本比率は高めの金融機関を選ぶことが大切です。
上記2つを確認することが大切になります。
最終的に、会社の規模で取引を始める順番を決めていきます。
会社規模(年商) | 取引金融機関(目安) |
1億円未満 | 信用金庫・信用組合 |
1億円以上 | 地方銀行 |
10億円以上 | 都市銀行 |
会社の規模が小さいうちは、「信用金庫」・「信用組合」をメインに。
規模が大きくなるにつれて、「地方銀行」がメインになっていくでしょう。
日本政策金融公庫は、会社の規模に関わらず取引をすることをおススメします。
取引金融機関の数(目安)
次に取引金融機関の数(目安)です。
1つの手段として、会社規模を目安にするという方法があります。
会社規模(年商) | 取引金融機関の数(目安) |
3億円未満 | 金融機関2~3行+日本政策金融公庫 |
3億円以上10億円未満 | 金融機関3~4行+日本政策金融公庫 |
10億円以上 | 金融機関4行+日本政策金融公庫 |
あくまで1つの目安ですが、参考にしていただければと。
重要な点は、複数の金融機関と取引をおこなうことを意識するということです。
なぜなら、1つの金融機関とのみ取引をおこなうことは、デメリットが多いと考えるからです。
会社の資金繰りを考えるのであれば、複数行取引が基本となります。
私が出版したKindle本でも解説をしています。
複数行取引が基本である理由
では、なぜ複数行取引が基本となるのでしょうか!?
私は、以下の点から複数行取引が基本と考えます。
- 融資条件の最適化
- 資金調達手段の確保
融資条件の最適化
複数行取引が基本と考える理由の1つ目は、融資条件の最適化です。
複数の金融機関との取引をすることで、金融機関同士の競争を促す効果があります。
金融機関は、他行の動向を気にしています。

財務状況の良い会社からは、より多くの融資案件を取りたいと考えるでしょう。
そのため、複数行との取引があれば、おのずと良い条件を提案される可能性が高くなるのです。
ですが、1つの金融機関としか取引がない場合はどうでしょう!?
競争相手がいないため、より良い条件を提示する必要がなくなってしまいます。
資金調達手段の確保
2つ目の理由は、資金調達手段の確保です。
当たり前のことですが、取引のある金融機関が複数あれば、
融資を申し込める数も増えます。
それだけ選択肢があるということです。
ですが、1行としか取引がなければ、
その1行から融資を断られたら、資金調達手段を失ってしまいます。
何度も言いますが、中小企業にとって融資は重要な資金調達手段です。
この選択肢が無くなれば、資金繰りに与える影響は絶大であることが分かります。
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まとめ
今回は「金融機関との取引は複数行取引が基本」というお話です。
複数行取引は、資金繰りを考えるうえで非常に重要なことです。
理由としては、
- 融資条件の最適化
- 資金調達手段の確保
が挙げられます。
前述した取引金融機関の数の目安を参考にしていただければ。
【ログ帳】
昨日は、朝にウォーキングとブログを更新。
その後は、税理士業を。