貸借対照表(B/S)を見る習慣が資金繰りを変える!?

「損益計算書は見るけれど、貸借対照表は苦手」
経営者の方の中には、こう思われている方多いのではと。

確かに、貸借対照表はパッと見ただけでは意味がつかみにくいですし、
「資産」とか「負債」とか、漢字ばかりで何を見ればいいのか分からないと感じるでしょう。

ですが、実はこの貸借対照表は、会社の資金繰り状況を表す重要な資料なのです。

今回は「貸借対照表(B/S)を見る習慣が資金繰りを変える!?」というお話です。

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目次

損益計算書では分からない「おカネの滞り」が見える

資金繰りが厳しくなる原因は、単に「売上が減ったから」だけではありません。
おカネの流れが滞っていることも考えられます。

例えば、

  • 売掛金が増えている→回収が遅れている・不良債権がある
  • 在庫が増えている→おカネがモノに変わって止まっている
  • 借入返済が重くなっている→利益に対して返済額が大きく、資金に余裕がない

これらの変化は、損益計算書だけを見ても気づくことができません。
貸借対照表を見ることで把握することができます。

貸借対照表(B/S)は、会社の資金繰り状況を確認できる重要なツールなのです。

「残高の変化」を追う習慣

貸借対照表を見慣れない人が、最初からすべてを理解する必要はありません。
大切なのは、「毎月の変化を見ること」。
つまり、前月や前期と比べて数字がどう動いたかを確認する習慣を持つことです。

数字というのは、単体で見ても意味が分かりにくいもの。
しかし、「先月より増えた」、「去年より減った」と比較をすれば、
その「動き」の理由が自然と気になり、理解が深まっていきます。

例えば、

  • 現金預金が減っている → 売上が減ったのか?、在庫や回収の遅れが原因か?
  • 売掛金が増えている → 請求はしているが入金が遅れている可能性
  • 借入金が減っているのに、資金繰りが厳しい → 返済負担が大きすぎるサイン

このように、「なぜ増えたのか」、「なぜ減ったのか」を考えることが、
資金繰りの感覚を育てる第一歩です。

この感覚を身につけておくと、銀行との関係にも良い影響を与えます。
銀行は、貸借対照表からその会社の「安定性」や「返済能力」を見ています。

  • 現金預金はどのくらい保有しているか?
  • 不良債権がないか?
  • 貸付金や仮払金がないか?など

こうした点を理解したうえで話ができると、経営者として信頼もされるでしょう。
また、銀行の目線で貸借対照表を見ると、銀行融資の対策も立てやすくなります。
(特に、事業に関係のない資産項目を増やさない意識は大切かと。)

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貸借対照表を見る習慣が、資金繰りを「先手」で動かす

資金繰りが苦しくなる会社の共通点は、「後手対応」になっていることです。
おカネが減ってから動く、支払日が迫ってから慌てる。
そうなると、打てる手は限られてしまいます。

一方で、貸借対照表を定期的に確認している会社は、資金繰りを「先手」で動かすことができます。

例えば、

  • 在庫が増えている→回転率の悪化や在庫管理に問題はないか
  • 売掛金が増えている→回収が遅れていないか、請求漏れの確認や回収サイトの見直し
  • 借入金の返済が重い→借入金のメンテナンス

といったように、「数字を見てから動く」ではなく、「数字を見ながら備える」ことができるようになるのです。

早期に異常を検知することができれば、
結果として、手立てを打てる選択肢が広がります。

多くの経営者が陥りがちなのが、数字を結果としてしか見ないということ。
決算が終わってから数字を確認し、「思ったより手元資金が減っていた」、「利益のわりにはおカネが残っていない」と気付くケースは少なくありません。

ですが、貸借対照表を見る習慣を持つことで、数字をただの「結果」ではなく、「判断の材料」とすることができるのです。

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【ログ帳】
昨日は、朝にブログを更新。
その後は、一時外出。
午後から、資料作成を。

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この記事を書いた人

税理士
銀行融資診断士
元経理マン

融資・資金繰りに強い税理士。

大分県由布市在住。
1988年10月1日生まれ。
ブログ毎日発信中。
筋トレとウォーキングが日課。

一般企業で経理職を経験後、税理士事務所に転職。在職中に税理士試験に合格し、2024年10月1日独立。

税務・経理に関するサポートはもちろん、融資・資金繰りのサポートも積極的におこなう税理士。

妻と5人の子供がいる賑やかな家族。

詳しくはプロフィール

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