会社の経営状況を把握するうえで、業績推移の把握が大切になります。
融資を受ける際にも、経営者の多くは「現在」と「未来」について説明をすることが多いですが、
「過去」→「現在」→「未来」という説明ができることで、
より根拠のある説明となります。
- 決算書を並べてみる
- 移動年計表を作成してみる
- 過去→現在→未来の流れを説明
これら3つを確認していきましょう。
今回は「【融資】銀行への説明は、業績推移の把握が重要。」というお話です。
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決算書を並べてみる
1つ目が「決算書を並べてみる」ということです。
過去3期~5期ほどの決算書を並べて、業績推移を確認してみましょう。
これは、銀行でも同様のことがおこなわれています。
1期分だけの数字を見ても、一定時点のみの数字となり、
流れを把握することは難しくなるからです。
決算書を時系列に並べて、損益計算書・貸借対照表の増減を確認してみます。
- 売上高・売上原価・販管費の推移
- 粗利率・営業利益率・経常利益率の推移
- 現金預金・借入金・純資産の推移
売上成長の度合い、コスト構造の変化、利益率の増減、外部環境の影響、会社の財務状況など、
過去から会社の業績を把握することで、会社の体質が見えてきます。
- 黒字であるものの年々業績が悪化している
- 一度赤字に転落したものの、近年はV字回復しているなど
一定時点の数字だけでは把握することができない数字の動きが見えてきます。
移動年計表を作成してみる
2つ目は「移動年計表を作成してみる」ということです。

年計表は、ただの折れ線グラフのように見えますが、
単純にその月ごとの数字を表しているわけではありません。
直近12か月分の業績の累計値を折れ線グラフにしています。
例えば、「2025-01」の数字は前年2月から1月までの12か月分となっています。
この年計表のメリットは以下です。
- 季節変動の排除
- 長期的な業績の流れを把握
季節変動の排除
多くの業種では、季節変動が存在します。
特定の時期に売上が伸びたり、下がったりと、
数字に大きな変化を与えます。
単月の数字だけに着目すると、季節性の影響を受けているため、
一時的に業績が良く見えたり、逆に悪く見えたりします。
それゆえに、業績の流れが掴みにくくなります。
年計表を利用すれば、季節変動を排除できるため、
より正確に業績の変化を把握できます。
長期的な業績の流れを把握
短期的な数字の増減だけに着目すると、
実際の会社の数字の流れを把握できません。
なぜなら、一時的な売上増加や予期せぬトラブルの影響を受けることがあるためです。
年計表を利用すれば、折れ線グラフが右肩上がりなのか、逆に下がっているのかなど、
一定時点ではなく、時系列に沿った数字の動きが把握できます。

以前にExcelでの年計表の作成方法を記事にしました。
過去→現在→未来の流れを説明
業績推移の比較は、単に数字を並べることではありません。
その数字の裏にあるストーリーを読み解き、「現在」と「未来」だけでなく、
「過去」からの流れを説明できることが重要です。
- 売上増減の理由→新規顧客の獲得・既存顧客の単価アップ
- 利益率の改善理由→コスト削減
会社の経営戦略の成功要因や課題を明確にし、
数値を元に説明することが大切になります。
特に銀行と会話をする際は、「想い」など抽象的な部分だけで説明しようとするのはおススメしません。
「想い」を具体的な数字と行動に落とし込んでいくことが重要です。
そのためには、「推移」や「比較」を利用して、
業績の変遷を把握しておきましょう。
上述した「決算書を並べる」・「年計表の作成」の他にも、
「前期比較」や「推移表」の確認もおススメです。
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まとめ
今回は「【融資】銀行への説明は、業績推移の把握が重要。」というお話でした。
- 決算書を並べてみる
- 移動年計表を作成してみる
- 過去→現在→未来の流れを説明
銀行との会話はもちろんですが、日頃から数字で説明する鍛錬を忘れないようにしたいものです。
【ログ帳】
昨日は、朝にブログを更新。
その後は、面談用の資料の作成と決算準備をしました。