海外に扶養親族がいる場合の扶養控除の適用要件

2023年に海外に扶養親族がいる場合の扶養控除の適用範囲に変更がありました。

留学生や特定技能実習生など、年々と海外に居住する方や海外から日本に来られる方が増えています。

所得税の計算上、扶養する親族がいると優遇される制度として「扶養控除」があります。

海外に扶養親族がいても適用を受けることが出来るのですが、2023年から適用範囲が少し複雑になりました。

目次

適用範囲

変更前

16歳以上の親族を扶養されている方は、扶養控除の適用を受けることが出来るとされていました。

変更後

変更後は、年齢によって扶養控除の適用要件が変化します。

適用範囲
  • 16歳以上30歳未満の方
  • 70歳以上の方
  • 30歳以上70歳未満の方は以下①~③のいずれかに該当する方
    • ①留学生
    • ②障害者
    • ③扶養をしている方から生活費又は教育費38万円以上の送金を受けている方

添付書類

上記の適用範囲に該当する場合には、適用を受けるための添付書類の提出が必要となります。

扶養親族の年齢等の区分扶養控除等申告書の提出時に必要な書類年末調整時に必要な書類
16歳以上30歳未満親族関係書類送金関係書類
70歳以上親族関係書類送金関係書類
30歳以上70歳未満(①留学生)親族関係書類と留学ビザ等の書類送金関係書類
30歳以上70歳未満(②障害者)親族関係書類送金関係書類
30歳以上70歳未満(③38万円の送金を受けている方)親族関係書類38万円送金書類

注意が必要なのが海外にいる扶養親族が2人以上の場合は、それぞれに対する送金関係書類が必要になることです。

親族関係書類とは

以下の①又は②のいずれかの書類で海外にいる扶養親族との関係を証明できるものをいいます。

※外国語である場合には日本語の翻訳文も必要。

①戸籍の附票の写しなど日本国又は地方公共団体が発行した書類と海外にいる扶養親族のパスポートのコピー

②外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(海外に住んでいる方の氏名、生年月日と住所の記載があるものに限る。)

例として、戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書などの書類です。

留学ビザ等書類とは

外国政府又は外国の地方公共団体が発行した①又は②の書類で、海外にいる扶養親族が海外に留学することで、日本に住所及び居所がなくなったことを証明するもの。

※外国語の場合は、日本語の翻訳文も必要。

①外国のビザに類する書類のコピー

②外国の在留カードに相当する書類のコピー

送金関係書類とは

扶養控除の適用を受けようとする年に、海外にいる扶養親族の生活費又は教育費に充てるために支払ったことを証明する書類をいいます。

例えば、銀行などが発行した書類などです。

まとめ

最近は、海外で生活する方も増えていることから、影響を受ける方も多くいらっしゃると思います。

扶養控除の適用を受けるか受けないかで、所得税に大きな影響を与えます。

再度、要件を確認して年末に慌てることのないようにしたいですね。

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