多くの経営者が資金繰り表を作成することに重きを置きがちですが、その後の「更新」がより重要であることに気づいている方は少ないかもしれません。
資金繰り表は、単なる予測のためのツールではなく、日々の経営判断を支える重要な資料です。
ですが、作成した資金繰り表をそのまま放置してしまうと、予測と現実のズレが生じ、経営判断が後手に回ってしまう可能性があります。
今回は「資金繰り表を「作成すること」より、「更新すること」を意識する習慣」というお話です。
【税理士・廣瀬充について】
・廣瀬充のプロフィール
・事務所ホームページ
・facebook(友達申請をする際は、メッセージをお願いします。)
・無料メルマガ登録者募集中
【仕事のご依頼】
・税務顧問
・スポット相談
・メール相談
・執筆のご依頼
【本の出版】
・中小企業経営者のための融資超入門(Kindle本)
資金繰り表は融資を受けるための資料ではない
資金繰り表を作成する場面として多いのが「銀行に提出するため」というもの。
銀行から提出を依頼され、慌てて作成するといった場面は珍しくありません。
多くの経営者が資金繰り表を「融資を受けるための資料」として一度作成し、そのまま放置してしまいます。
ですが、資金繰り表は単なる融資申請のための資料ではありません。
資金繰り表の本来の目的は、会社の資金の流れを予測し、適切なタイミングで必要な資金を確保することです。
(借入金一覧表を同時作成していると、融資のメンテナンスがしやすくなります。)
これを作成すること自体が目的化してしまっては、本来の効果を十分に発揮することはできません。
資金繰り表の本来の目的は、あくまで会社の実際の「おカネの動き」を把握し、必要に応じて更新し続けることで、日々の経営判断に役立てることです。
融資の申請時に必要な資料として提出することもありますが、それが本来の使用目的ではないことを忘れてはいけません。
更新を続けることで、経営判断がしやすくなる
資金繰り表を定期的に更新することは、経営判断をスムーズにし、迅速な対応を可能にします。
会社の資金状況は日々変化しており、売上の変動や支出の増加など、さまざまな要因が影響を与えます。
もし、資金繰り表を更新せずに放置してしまうと、実際の状況と予測が乖離し、誤った判断をしてしまう危険があります。
ですが、定期的に更新を続けることで、現状と未来の資金繰りのギャップを把握できるため、次に取るべき行動が見えやすくなります。
例えば、売上が遅れていることが分かれば、早めに支出を見直すことができ、資金繰りに無理が生じないように調整できるのです。
また、予期せぬ支出が発生した場合でも、その影響をすぐに資金繰り表に反映させることで、必要な対策を早めに練ることができるでしょう。
早期対応により、資金繰りの不安を和らげ、結果的に安定的な経営ができるようになります。
一方で、更新を怠ると、予期せぬ支出が経営に与える影響に気づくのが遅れ、対応が後手に回ってしまう可能性があります。
後手に回ることで、有効な選択肢を減らしてしまい、会社に残された少ない手札の中からでしか、経営判断ができなくなるのです。
定期的に資金繰り表を見直すことで、経営者は常に「今」の資金状況を正確に把握でき、どの時点で問題が発生しているのか、そしてその解決策は何かを早めに判断できます。
この習慣を身につけることは、変動の多い経営環境において事業を安定させるために不可欠です。
【税理士・廣瀬充について】
・廣瀬充のプロフィール
・事務所ホームページ
・facebook(友達申請をする際は、メッセージをお願いします。)
・無料メルマガ登録者募集中
「更新の習慣」が資金感覚を育てる
資金繰り表の更新は、単に数字を追いかけるだけでなく、経営者の資金に対する感覚を育てる重要な習慣です。
毎月、資金繰り表を見直し、過去のデータと比較することで、自社の「おカネの流れ」がどうなっているのかを深く理解することができます。
単なる数値管理ではなく、実際の資金の動きを肌で感じることができるでしょう。
例えば、過去数ヶ月のデータと比較して売上の季節的な変動や、急激な支出のパターンが見えてくるかもしれません。こうした動きを把握することで、将来の資金調達や支出管理がより現実的なものとなり、適切な判断を迅速にできるようになります。
この「更新の習慣」が身につくと、資金繰りの状況に敏感になり、会社の成長に伴う資金の増減を予測しやすくなります。
売上の急成長に対して必要な資金調達や、コストの増加に備えた準備が早期にできるようになるなど、事前に手を打つことが可能になるでしょう。
また、資金繰りが厳しくなる兆しを早期に察知し、必要な措置を講じることもできます。
このように、資金繰り表を定期的に更新し続けることで、今後の予測に基づいた資金管理ができるようになります。
重要なのが「早期に把握する」ということ。
銀行融資や資金繰りを意識するタイミングというのは、「もう少し早ければ…。」という場面が多いのが現実。
「資金不足→行動」ではなく、余裕があるうちから早めに対策を練り、行動することが大切です。
そのきっかけをつくるツールとして「資金繰り表」を活用することをおすすめします。
【仕事のご依頼】
・税務顧問
・スポット相談
・メール相談
・執筆のご依頼
【本の出版】
・中小企業経営者のための融資超入門(Kindle本)
【ログ帳】
昨日は、朝にブログを更新と金曜アップのnote記事を投稿。
その後は、データの確認を。
午後は、資料作成などをしました。