融資は「借りられるときに借りる」。
これは以前から私が重要視していることです。
ただ、「とりあえず借りておけばいい」という話ではありません。
「借りられるときに借りる」を可能にするには、日頃からの意識が大切であり、それが会社の体力を上げることにつながると考えているからです。
今回は「『借りられるときに借りる』という意識の重要性」というお話です。

※「借りられるときに借りる」という意識がもたらすもの
経理の土台が必要となる
まず、「借りられるときに借りる」を実現するためには、日頃から会社の状況を把握しておく必要があります。
- 現預金残高
- 利益状況
- 銀行との関係など
こういったことを「なんとなく」ではなく、数字として把握できているかどうかが大きな分かれ道になります。
融資は、「おカネがなくなったら借りる」で受けられるものではありません。
銀行は、会社の業績や資金繰り、返済状況などを見ながら、「この会社は返済できるか」を確認しています。
借りられるタイミングというのは、会社の状況が比較的安定しているときでもあるのです。
ですが、日頃から経理ができていなければ、そのタイミングに気づくことができません。
毎月の経理が遅れていたり、利益状況を正確に把握できていなければ、「今なら借りられる」という判断自体ができなくなってしまいます。
だからこそ、経理の土台が重要なのです。
日々の経理を通して、会社の状態を把握できているからこそ、
「今のうちに借りておこう」
「このタイミングなら銀行にも説明しやすい」
「まだ余裕があるうちに動いておこう」
そうした判断ができるようになります。
借りられるときに借りる。
そのためには、特別なテクニックよりも先に、日頃から会社の数字と向き合える状態をつくっておくことが欠かせません。
過度な節税を止める
融資を円滑に受けるためには、安定した利益の確保が重要となります。
利益は返済原資となるため、利益が出てない場合には、「融資をしても返せないだろう」という見方をされてしまうのです。
1つの目安として、簡易キャッシュフロー(税引後利益+減価償却費)の10倍程度が借入余力という見方があります。
つまり、利益が安定して出ている会社ほど、借入余力も確保しやすくなるということです。
ここで考えたいのが、過度な節税との関係です。
利益を減らせば税金は減ります。
ですが、その一方で、借入余力も減っていくことに。
さらに、節税のために不要な支出を増やせば、現在の手元資金まで減ってしまいます。
結果として、目先の税負担を減らした代わりに、将来の資金調達の選択肢まで狭めてしまうことにもなりかねません。
だからこそ、「借りられるときに借りる」という意識が重要になるのです。
「借りられるときに借りる」には「借りられる状態を維持する」ことが必要。
結果として、安定した利益確保の意識と過度な節税にブレーキをかけやすくなるのです。
税金を減らすことだけに意識が向けるのではなく、会社全体の資金繰りや将来の選択肢まで含めて考えられるようになる。
それが、「借りられるときに借りる」という意識を持つ大きな意味となります。
ブログ記事:節税しすぎる会社は損をする?銀行評価と借入余力の関係
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余裕があるうちの行動のきっかけ
「借りられるときに借りる」という意識は、早めに行動することにもつながります。
前述した通り、会社の業績が悪くなってからでは、銀行から融資を受けること自体が難しくなります。
だからこそ、余裕があるうちに動いておくことが重要なのです。
資金繰りに余裕がある状態であれば、経営判断もしやすくなります。
反対に、資金繰りが厳しくなってしまうと、状況は大きく変わります。
「毎月の支払が気になり、預金残高ばかり見てしまう」というような状態になれば、本業に集中することすら難しくなるでしょう。
さらに、余裕がない状態での融資は、選択肢も限られます。
「希望した金額が借りられない」→「返済条件が厳しい」→「追加資料や説明を強く求められる」といったことになり得ます。
会社側が「借りたい」と思ったタイミングと、銀行側が「貸したい」と思うタイミングは、必ずしも一致しません。
※ブログ記事:銀行の視点を理解すると、資金繰りも考え方が変わる!?
だからこそ、「借りられるときに借りる」という意識が重要になるのです。
余裕があるうちに行動しておくが、会社の選択肢を守り、本業に集中できる環境にもつながっていきます。
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