会社の決算書を見るとき、単年度の数字だけでは「傾向」まで掴むことはできません。
大切なのは、数字の「推移」を見ること。
年単位、あるいは月単位で数字の動きを追っていくと、その会社が今どういう状態にあるのか、どこに向かっているのかが見えてきます。
今回は「推移で確認する会社の傾向」というお話です。
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売上推移
売上推移を見るときは、年単位や月単位で見る方法があります。
年単位であれば、「会社規模の変化」や「拡大傾向なのか」、「縮小傾向なのか」など。
一方で月単位で見ると、季節変動も見えてきます。
繁忙期と閑散期がはっきりしている会社であれば、その波を把握しておくことが、その後の資金繰りにも活きてきます。
ここで意外と見落とされがちなのが、売上が拡大傾向にある会社ほど、資金繰りに不安が出やすいということ。
「売上が伸びているから大丈夫」と思っていたら、実際は「現預金が減っていた」というギャップは、意外とあるものです。
理由はシンプルで、売上が増えると、先行する仕入や経費も増加するから。
至極当然のことですが、数字で見た際に、資金繰りに思った以上に影響を与えているということは珍しくありません。
売上の拡大スピードが速いほど、このズレも大きくなります。
このズレを、本業の資金だけで埋めようとすると、資金繰りが一気に苦しくなります。
こういった場合に検討をしたいのが、増加運転資金の融資を受けるということ。
売上拡大にともなって必要になる運転資金を、あらかじめ借りておくのです。
売上が伸びているという事実だけで安心せず、その裏で現預金がどう動いているかまで見ておくことが、拡大期の会社にとっては欠かせません。
そして、そのズレにいち早く気づくきっかけの1つとなるのが、推移を定期的に確認しておくということなのです。
利益推移
利益も単年や単月だけでなく、推移で確認しておきたいところ。
「利益が安定して確保できているか」「利益率に大きな変化がないか」という部分は重要なポイント。
利益は単月だけを見ると、その月の売上や一時的な経費によって大きく変動する場合もあるでしょう。
ですが、数か月、数年という推移でみると、会社の本当の稼ぐ力が見えてきます。
例えば、売上は毎年増えているにもかかわらず、利益が横ばい、あるいは減少しているケース。
こういった場合、
- 原価が上がっている
- 人件費などの固定費の増加など
売上以上にコストが増えている可能性があります。
実際に、原価が上がっていることは分かっていても、改めて数字で確認したときに、そのインパクトの大きさに驚かれることがあります。
利益の推移は、銀行も重視しているポイントです。
銀行は「当期は黒字だった」という結果だけでなく、「毎期安定して利益を出せているか」といった傾向も見ています。
利益が安定している会社は、返済原資を継続的に生み出せると考えられるため、融資の判断にもプラスに働くのです。
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現預金推移
3つめは、現預金推移。
現預金推移を見ることで、会社の資金繰りの状態や体力が見えてきます。
利益が出ている会社でも、現預金が減り続けていることは珍しくありません。
- 売掛金の回収遅延
- 在庫増加
- 設備投資
- 借入返済の負担など
こういった要因が、手元のおカネを減らすことになります。
前述した通り、売上や利益が拡大傾向にあるときほど、現預金が増えないという状態が生じやすいものです。
「売上増加→利益も増加」、それなのに通帳の残高は思うように増えていない…。
このズレに気づかないまま突き進んでしまうと、いずれ資金繰りが苦しくなります。
銀行も現預金の推移は重視しています。
決算書の預金残高だけでなく、「毎期の預金残高の傾向はどうなのか」「資金繰りに余裕がある会社なのか」、それとも「資金が徐々に減少している会社なのか」といった部分を確認するのです。
「今月はまだ大丈夫」と思っていても、その傾向が半年、1年と続けば、いずれ資金不足につながります。
現預金は、会社にとっての体力そのもの。
売上・利益だけでなく「現預金推移も確認しながら、必要であれば銀行融資も検討していく」という視点を持っておきたいところです。
まとめ
売上、利益、現預金。
どれも単年度、単月だけを見ていては、会社の本当の傾向はつかめません。
数字の推移を定期的に確認する習慣を持つことで、会社の傾向を早めにつかみ、経営を続けていくための大切な判断軸の1つとして活用することができます。
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