銀行格付の1次評価(定量分析)~収益性項目編~

前回に引き続き、銀行格付の1次評価についてです。
銀行格付は、1次評価から3次評価まであります。

あわせて読みたい
銀行格付の1次評価(定量分析)~安全性項目編~ 銀行格付のステップとして、1次評価があります。事業主からお預かりした決算書のデータを元に財務分析をし点数をつけて、融資を検討する段階です。1次評価の項目は4つあ...

財務数値、担保や保証などをベースに融資の可否を決めるのではなく、事業活動の内容や将来性を加味しながら融資をしましょう!という事業性評価融資を金融庁が推進しています。

ですが、現実的には銀行格付で行った評価は非常に重要視されていると言われています。
その銀行格付をしていくうえで、重要となってくるのが1次評価です。

1次評価は、以下の4つの項目に分類されます。

  • 安全性項目
  • 収益性項目
  • 成長性項目
  • 債務償還能力項目

今回は、4つの項目のうちの収益性項目についてです。

【税理士・廣瀬充について】
廣瀬充のプロフィール
事務所ホームページ
facebook【地方在住税理士のライフログ】(友達申請をする際は、メッセージをお願いします。)
無料メルマガ登録者募集中

【仕事のご依頼】
税務顧問
融資・資金繰りスポット相談
個別コンサルティング
メール相談
クラウド会計コンサルティング
執筆のご依頼

【本の出版】
中小企業経営者のための融資超入門(Kindle本)

目次

収益性項目とは?

収益性項目は、企業の収益力を確認する項目です。
前回の安全性項目では、貸借対照表の金額のみを使用して分析指標を算出しました。

ですが、収益性項目は、損益計算書の項目も一緒に確認することとなります。

3つの分析指標

収益性項目には、以下の3つの分析指標があります。

  1. 売上高経常利益率
  2. 総資本経常利益率
  3. 獲得利益の推移

1.売上高経常利益率

「経常利益」は、本業での利益である「営業利益」に「営業外収益」を足して「営業外費用」を差し引いた利益です。
「営業利益」はもちろんですが、金融機関にとっての収益となる「支払利息」を支払う余力があるかどうか?を確認するためにも「経常利益」は重要視されます。

売上高経常利益率は、(経常利益÷売上高)×100で計算されます。
売上高に対する「経常利益」がどのくらいの割合を占めるのかをを算出するのです。

この数値は、高くなればなるほど収益力が高いと評価されます。

2.総資本経常利益率

総資本経常利益率は、(経常利益÷総資本)×100で算出されるパーセンテージです。
総資本とは、自己資本である「純資産」と他人資本である「負債」の合計をいいます。

この数値が高いと、資本を効率よく運用して収益を上げていることになります。

3.獲得利益の推移

獲得利益の推移とは、過去3期分の税引後当期純利益の推移です。
2期連続で赤字が出ると融資の審査に大きく影響が出てきます。

まとめ

今回は、銀行格付の1次評価の収益性項目に着目しました。
上記のように利益を常に確認されていることを頭に入れておきましょう。

節税を意識するあまりに、利益を圧縮しすぎて、資金調達が難しくなったという話はよくあります。

【税理士・廣瀬充について】
廣瀬充のプロフィール
事務所ホームページ
facebook【地方在住税理士のライフログ】(友達申請をする際は、メッセージをお願いします。)
無料メルマガ登録者募集中

【仕事のご依頼】
税務顧問
融資・資金繰りスポット相談
個別コンサルティング
メール相談
クラウド会計コンサルティング
執筆のご依頼

【本の出版】
中小企業経営者のための融資超入門(Kindle本)


【編集後記】
昨日は、帰宅後少しだけ筋トレを。
夕飯の後は、少し読書をしてから早めに就寝をしました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

税理士
銀行融資診断士
元経理マン

融資・クラウド会計に強い地方在住税理士。

大分県由布市在住。
1988年10月1日生まれ。
ブログ毎日発信中。
筋トレとウォーキングが日課。

一般企業で経理職を経験後、税理士事務所に転職。在職中に税理士試験に合格し、2024年10月1日独立。

税務・経理に関するサポートはもちろん、融資・資金繰りのサポートも積極的におこなう税理士。

妻と5人の子供がいる賑やかな家族。

詳しくはプロフィール

目次