銀行格付のステップとして、1次評価があります。
事業主からお預かりした決算書のデータを元に財務分析をし点数をつけて、融資を検討する段階です。
1次評価の項目は4つあります。
- 安全性項目
- 収益性項目
- 成長性項目
- 債務償還能力項目
今回は、安全性項目について見ていきます。
なお、1次評価では13の分析指標が出てきます。
詳しく全てを理解しようとするのでなく、まず重要なのは「純資産」・「営業利益」・「経常利益」であることを覚えておきましょう。
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安全性項目とは?
金融機関は、融資の5原則である安全性の原則の観点から、預金者の保護を考えないといけません。
そのため、債務者の査定を行いリスクに備えているのです。
安全性項目は、貸借対照表の数字を元に出す指標により点数がつけられます。
ここでいう貸借対照表は、金融機関で各勘定科目を精査をされた後の実態貸借対照表を指します。
(実態貸借対照表については、また後日。)
安全性項目は、4つの評価項目の中でも重要度が高い項目となっています。
4つの分析指標
安全性項目の指標は以下の4つになります。
- 自己資本比率
- 流動比率
- ギアリング比率
- 固定長期適合率
4つの指標で企業の安全性についての査定を行うのです。
1.自己資本比率
自己資本比率は、(純資産の部÷総資産)×100で計算されます。
貸借対照表の右側は、負債の部と純資産の部で構成されています。
いわゆる、どのようにして資金調達をしたか?が記載されています。
純資産が多いということは、返済をする必要がないお金、つまり自己資本が多いということになります。
そのため、自己資本比率は、自己資本で事業の運営が出来ているのか?を確認する指標となります。
比率が上がれば、安全性が高いと考えられるのです。
2.流動比率
流動比率は、(流動資産÷流動負債)×100で計算されます。
貸借対照表の左側は資産の部と言われています。
調達した資金をどのように使っているか?を確認することが出来るのです。
流動資産は、現預金、売掛金や受取手形など短期間で現金化ができる資産になります。
逆に流動負債は、買掛金や支払手形など短期間で支払をしないといけないものです。
企業にとって資金は命です。
流動比率を確認することで、短期間の間に手元の資金が無くなる可能性がないか?を確認するのです。
数値が上がれば安全性が高いと評価されます。
3.ギアリング比率
ギアリング比率は、(負債の部÷純資産の部)×100で計算されます。
他人資本である負債と自己資本である純資産の比率を算出します。
負債比率やレバレッジ比率とも言われるものです。
数値が低いほど、安全性が高いと評価がされます。
4.固定長期適合率
固定長期適合率は、固定資産÷(固定負債+純資産の部)×100で計算されます。
長い時間を掛けて資金を生み出していくちと言われる固定資産。
その固定資産が無理のない資金調達方法でまかなえているか?を確認する指標です。
数値が低いほど、安全性が高いと評価がされます。
まとめ
今回は、銀行格付けの1次評価項目の中でも、安全性項目に着目をしました。
指標の計算は難しいものではないので、ご自身で確認をしてみることをおススメします。
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【編集後記】
昨日は、帰宅後、本を読みながら夕飯の準備を。
きんぴらごぼうと野菜炒めです。